岩田 充永(藤田保健衛生大学教授・救急総合内科学)
❶❷大学を卒業してすぐに麻酔科で研修を開始した。最初の日に,勇ましそうな指導医から「麻酔は何のためにかけるんだ?」と聞かれて,とっさに「手術が円滑に進むためです」と答えたところ,指導医の顔はみるみる真っ赤になり「バ○ヤロー!! 俺たちは,外科的な侵襲から患者を守るために麻酔をかけているんだ!! それだけは忘れるな!!」と今思い出しても背筋が凍るくらい厳しい指導を受けた。(その指導医とは今でも会議で一緒になる……)顔を見ると,「侵襲から患者を守る」という言葉を思い出す。
その後,老年科で研修をさせていただいた。集中治療室・手術室から出て,患者さんやご家族とのコミュニケーションの重要性に戸惑っていたころ,認知症を持った心不全患者さんを受け持った。安静が保てず,心不全は改善と悪化の繰り返し……。私は「安静が保てないなら,治療なんてできません!!」といら立った。そのときに当時の老年科の教授から「いいか,岩田。老年医学とは想像と優しさの産物なんだよ。病気やけがを経験した医療従事者はいても,老いを経験した者は誰もいない。だから,老年医学には想像で臨むしかないのだ。想像のためには優しさが大切なのだよ」と教授室で缶ビールをごちそうになりながら指導された。あれから,18も年を取り,当時生意気ばかり言っていた私が,いつの間にか逆の立場になった。若手から厳しいことを言われるたびに「教授,あのころはごめんなさい」と心の中で謝りながらあの言葉を思い出す。
初期研修を終えるころ,救急外来で働くことが大好きであった自分は,その後ERの道に進むかどうかを悩んでいた。当時は,救急と言えば三次救急という時代で,救急外来を主体に働く医師は全国でも少数であった。相談した指導医は,気楽に「いいじゃない。何やったって,自分と家族がHappyなら」という言葉を送ってくれた。一気に肩の力が抜けた。その後人生の岐路に立ったと思うときには必ずその言葉を思い出す。
救急外来で働くことを決めたとき,周囲から「何の専門性も持たないで,入り口だけしかやらないなんて……」と言われ続けた。寺澤秀一先生(福井大教授)から「救急医療の主役は,患者さんと専門医なのです。救急医は主役を盛り立てる脇役狙い,助演男優賞狙いで良いのです。新しい変化を組織で起こしたいのであれば,人間として認められることが大切です」と言葉をいただいた。3年前に長年勤務した救命救急センターから大学に移籍したときにもこの言葉を再び胸に刻んだ。
2週間の救急研修に伺った際に,箕輪良行先生(地域医療機能推進機構東京蒲田医療センター総合診療研修顧問)から「いいか,若いころはいただいた仕事は絶対に断っちゃダメだぞ!! そうしたら,自分のやりたい仕事ができるようになるから」と言葉をいただいた。それから数年後……。原稿と会議の嵐に溺れそうになったときに「先生,まだ断っちゃだめですよね……」とつぶやく。
❸ベートーヴェン『交響曲第9番 合唱付き』。作曲当時,音楽で社会を変えることができると心から信じて疑わなかったベートーヴェンの熱意に勇気付けられる。受験生のころから,緊張するイベントの前には必ず聞いています。
❹「親父の小言と冷や酒は,後から効いてくる」。多くの指導医との出会いを大切にしてください!!
27年最後となる愛知GIMが 藤田保健衛生大学ホームグランドで開催されました。今回も遠方にもかかわらず大変多くの若者と自称若者の先生方が集まって下さいました!感謝いたします。
内容は・・・
安城更生病院「16歳男性 右下腹部痛 → 運動後急性腎不全」
藤田保健衛生大学病院「84歳男性 腹痛 → 好中球減少性回腸炎」
春日井市民病院 神経内科 安藤 孝志先生「意識障害を克服する~AIUEOTIPSを超えて~」
毎回好評を頂いている「救急総合内科セミナー」も今回で3回目となります。
来る2015年11月8日(日)に開催いたします。
日時: 2015年11月8日(日曜日) 午前10時-午後5時. 午後6時より懇親会
場所: 藤田保健衛生大学病院.
外来棟4階(詳細な場所は後日お知らせします).
参加費: 1500円(含昼食代).
懇親会参加希望者は別途3000円
対象: 初期, 後期研修医. 学生よび指導医の先生の参加も定員に余裕がある限り歓迎します。
内容
救急
「どうやってする?M &
Mカンファランス」
〜「俺やっちゃったかもしれない!」「やばい, とんでもないことになった!」。救急の現場では様々なエラーが起こり得ます。私たちはこの起こってしまったエラーから学び, 診療の質や安全性を改善する必要があります。そこでM &
M(Morbidity & Mortality)カンファランスを役立てましょう。どのようにM&Mカンファランスを行っていくのかを学びます。〜
総合内科
「頭痛ワークショップ」
〜模擬患者を使いますが,
普通のOSCEではありません。症例レベルは一般的なものから高いものまで何がでるかわかりません。症例を病歴, 身体所見や簡単な検査を行いチームで協力して診断をつけていきましょう。さらにかなり濃厚な(?)講義があります。頭痛の診断から管理についてワークショップを通じて深く学んでください〜
集中治療
「集中治療、腕試し」
〜重症患者管理は面白い!重症患者管理の醍醐味は限られた時間の中で正確な診断と, 根拠のある適切で迅速な治療を行うことです。重症患者の診断と決定的治療を行うための全身サポートについてどれくらいあなたは知っていますか? みんなでクイズに挑戦して, 深く学びましょう〜
参加ご希望の方は
申し込みフォーム(下記)より必要事項を記載していただきお申し込みくださいませ。
https://docs.google.com/…/1Gm5CV_8TK7_v6fi_Jt5RjD2…/viewform
そのほかご質問やご連絡のある方はfjtgim.seminar@gmail.comまでご連絡ください。
尚定員50名程度を予定しております.
先日行われました第17回愛知GIMカンファレンス、20名以上のご参加があり、大変ご好評をいただきました(^^)
検討症例は
① 藤田保健衛生から「50歳男性の性格変容」
② 安城更生病院から 「63女性の 突然の意識障害」
よく出会う主訴でも、さまざまな卒年次の皆でディスカッションすると、なんとも奥深く勉強になるものですね~♫
岩田充永教授が、医局員全員に、藤田保健衛生大学救急総合内科のユニフォームであるスクラブがそのままデザインになった、キーホルダーをプレゼントしてくれました!
小さいけれど、忠実に再現されています(^^)
しかも、ひとりずつの名前入り!!!
配られると、みなから「わーーーっ」と歓声があがりました。
ちょっとはやいクリスマスプレゼントになりました。
岩田先生、ありがとう♥
これからは私は少し離れた場所から皆さんの成長を見守ります。総合診療分野でまだ経験していない「地域医療」の充実に、医師としての残りの人生をかけ取り組みたいと思います。急速な高齢化、医師不足のために「地域医療」や「地域での医学教育」は日本の重要な課題となっています。
— 場所: 藤田保健衛生大学
開催場所 生涯教育研修センターへは、正面限界より道案内をだしております。
26年度4月より 藤田保健衛生大学救急総合内科の岩田充分永先生 植西憲達先生が教授に昇格!
若き時代のリーダー登場!である.
写真は福井大学教授の林寛之先生から豪華胡蝶蘭を贈られた岩田先生.
岩田先生は林先生が教授就任のときに「ついに林先生がヘタレになってしまった」と言って嘆いていた.
このお花は,林先生から「おまえもな・・・」というメッセージが込められているのではないかとの臨床推論である.
主催:植西憲達先生
日時:2014/3/22 @名古屋第一赤十字病院
症例①
発表:安城更生病院 黒田浩一先生
70歳女性
主訴)手術後の急性呼吸不全
症例②
発表:諏訪中央病院 伊藤裕司先生
27歳男性
主訴)頭痛後の意識障害
大変勉強になる症例でした。参加していただいた皆さん、ありがとうございました。
お正月気分まっ最中の1月4日(土)にここ藤田保健では、全国から医学生、若手医師、元若手医師など123名が集い、、大症例検討会が開催されました。このカンファレンスには症例プレゼンターとして、当院の山中教授以外に
野口善令先生 土肥栄祐先生 山本剛先生 徳田安春先生など豪華メンバーが勢ぞろいいたしました。ディスカッサントは東西に分かれてその症例に対する鑑別までの思考過程をプレゼン。
会場を巻き込みディスカッションが盛り上がりました。開催の企画や準備は 本学医学生3年生~5年生の有志のみなさんでした。おかげでとても良いカンファレンスになりました。手前味噌ですが、みんなありがとう!!
「患者さんが最善の医療を受けられる状況をつくるのが救急医の務め」と話す岩田充永さん
「絶対に助けたい。いや、助けるんです」。救命救急センター(ER)に急患が運び込まれたとき、いつも心に沸き起こる思いを熱く語る。救急専門医の育成を目指し、書籍や学会で意義を積極的に発信している。
毎日、過酷な現場に身を置く。ある急患は早朝、車にはねられて全身の骨が折れ、頭からも出血。心臓の周囲に血がたまり、肝臓も破裂していた。
刻々と変わる症状。胸の血を抜き、気管に管を入れる。脳、消化器、循環器、整形−。どの順番で誰に手術を依頼すれば救えるか。処置しながら頭をフル回転。治療できる専門医につなげ、救うことができた。だが、一瞬の判断ミスが死につながる。「だからこそ、全領域に通じていなければならない」
高校時代、がんと闘う医師のノンフィクションを読み、医師にあこがれた。ただ、大学医学部時代は部活のオーケストラの指揮に没頭。周囲の同期生のように1つの臓器の専門家になることに違和感があり、卒業時も専門を決めなかった。
転機は名古屋市内の病院で研修医をしていた際、当番で回ってきた救急の経験。目の前で苦しむ人のため、必死で考えながら対処した。つないだ専門医の外来で翌日、患者の笑顔を見て、判断が正しかったと知るのがうれしかった。
当時、数少ない救急専門医のいた福井県まで毎月の休みに通い、知識と技術を学んだ。その1つが「絶対に怒らず相手を受け入れること」。救急医は一刻を争う中、患者の家族や手術を頼む専門医、集中治療室の看護師らさまざまな人と接する。感情的になって関係がこじれると、よい治療はできない。
今は学生時代、指揮者として奏者が気持ちよく演奏できるよう、心を砕いた気持ちと似ているという。「救急医は専門医らが最大限の力を発揮し、患者が最善の医療を受けられるように働く脇役だから」
ベートーベンの曲が好きだという。「無駄な音が1つもない」からだ。患者を手術室まで1秒でも早く運ぶためにエレベーターのドアを開けて待つ人、点滴を何本打ったか正確に覚えている人…。無駄な仕事は1つもない。そんなオーケストラのようなERで、今日も患者と向き合っている。(山本真嗣)
藤田保健衛生大救急総合内科(愛知県豊明市)
11月29日(金)に 諏訪中央病院の総合診療部長佐藤泰吾先生をお迎えして 若手の先生のために「感染症と総合診療」というテーマでお話しいただきました。諏訪における診療科の壁を越えたカンファレンスの様子を ご紹介いただきながら、症例を紹介していただく 一味違うレクチャーでした。
11月8日(金)藤田保健衛生大学病院では初めてのJAMEC(日本内科学会認定)を開催いたしました。
名古屋第1赤十字病院から花木芳洋先生をディレクターにお迎えしています。
救急のセミナーはやり始めるとみな真剣になっちゃうんですよね。
去る10月27日(日) 岐阜で開催された内科医学会東海地方会には当科の若手ホープの先生たちがたくさん発表されました.演題は以下のようでした.
去る19日(土)に行われました第8階 愛知GIM カンファレンスは30人あまりの年代も様々な参加者のかたが集結いたしました.ご参加いただいた先生方,ありがとうございました!!今回は安城更生病院と諏訪中央病院の症例でした. どちらも「レアケースではなく,しかし受診時のプレゼンテーションは悩ましく...」というケースでした.ディスカッションにはもってこいです.
そしてご褒美レクチャーとしは,藤田保健の救急総合内科植西先生による「関節炎をどう診るか」の講義でした.
とことん臨床に則した明日から使えるパールが満載の分かりやすいレクチャーは圧巻でした.
今回は名古屋医療センターや豊田厚生の研修医や後期研修医も参加.今後どんどん交流の輪を広げていければと思います.
次回は12月の開催予定です.お楽しみに!!
東北大学の具芳明先生に、臨床研修センター主催「第7回 診断力をupする レジデントセミナー」で「感染症診療一歩前へ 基本ロジックと臨床で生かせるコツ」の講演をしていただきました。治療が難しい重症感染症症例の相談にも乗っていただき、大変充実した時間を過ごしました。
24日に好評開催されました愛知GIMの様子です!
少人数ながらも,わきあいあいと皆が発言できて良かったと思います.
今回は2例を通じて神経障害性疼痛を疑う場合,どのレベルの障害なら
合致するのかやはり解剖学的考察が大切だということと,カタトニアという概念
について学びました.症例提示してくれる先生が参加してくれる人に何かを持ちかえって
もらおうとメッセージを作ってくれるので非常に勉強になります.
これを続けていきたいです
次回は10月19日(土)に再度第1日赤で行う予定です.また詳細が決定したら
お知らせいたします!
みなさま,是非またご参加ください.
(藤田保健衛生大学救急総合内科 都築誠一郎)
去る7月27日(土)~28日(日)に、滋賀県琵琶湖の湖畔、長浜において第2回「ふふふカンファ」が開催されました!
(ふ)福井大学(ふ)藤田保健衛生大学(ふ)京都府立医科大学の3大学が集まり、メディカルラリーや魅力的なカンファレンスが満載の勉強会でした。
3大学からは、それぞれやる気にあふれる(?)医学生のみなさん、研修医のみなさんが参加してくださいました。
当日のブースは
①福井大学 寺澤秀一先生
②福井大学 林寛之先生
③藤田保健衛生大学 山中克郎先生
④京都府立医科大学 先生
にそれぞれ6~7人のグループで、まさに膝を付き合せたカンファレンスをラリー形式で行いました。
メインイベント(?)の大宴会では、ラリーカンファの解答や解説が、それぞれの先生たちからありました。
酔って盛り上がる指導医と研修医・・・解説にもいつもよりも熱が入っていたようないないような。
食事後もノンストップ!
山中先生のフィジカルハンズオンセミナー 某Y先生の迫真の演技にちょっと圧倒されながらも丁寧な腹部の診察にみな聞き入っていました。
愛知GIMカンファレンスも気がつけば第6回を迎えています.今回もたくさんの参加者の方々と熱いディスカッションができました.次回からもより一層,診断能力 臨床能力を鍛える勉強会にしていきたいと思います.
是非,お楽しみに!!